数あるオメガ3食品の中から、どれを選べば良いか迷われる方は少なくありません。特に健康意識の高い50代以降の読者様にとって、良質なオメガ3を日々の食生活にどう取り入れるかは、非常に重要なテーマです。

本記事では、文部科学省の食品成分データベースに基づき、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれる食品や油をランキング形式で詳しくご紹介します。健康や美容への具体的な効果、推奨される摂取量の目安、そして効率的な取り入れ方まで、学術的かつ客観的な視点から解説します。ご自身のライフスタイルに合ったオメガ3油選びの参考に、ぜひ最後までお読みください。

オメガ3脂肪酸豊富な油を植物由来・魚由来で徹底比較

本章では、文部科学省が公開している食品成分データベース(※1)をもとに、オメガ3脂肪酸が豊富に含有される油や食材を、植物由来と魚由来に分けてランキング形式でご紹介します。

オメガ3が豊富な植物油

植物由来のオメガ3脂肪酸は、主に種子から摂れる油やチアシード、クルミなどに多く含まれています。特にえごま油や亜麻仁油は含有量が高く、近年ではスーパーマーケットでも手に入りやすくなったため、手軽に取り入れやすいオメガ3油として注目されています。これらの油には、体内でEPAやDHAへと変化するα‐リノレン酸が豊富です。

なお、えごま油と亜麻仁油は熱に非常に弱いため、加熱調理には不向きです。ドレッシングとしてサラダにかけたり、ヨーグルトに混ぜたりして、生で摂取することをおすすめします。

順位 食品名 成分量(100gあたりmg)
1 油脂類/(植物油脂類)/えごま油 58,000
2 油脂類/(植物油脂類)/あまに油 57,000
3 種実類/えごま/乾 24,000
4 種実類/あまに/いり 24,000
5 種実類/チアシード/乾 19,000
6 種実類/くるみ/いり 9,000
7 油脂類/(植物油脂類)/なたね油 7,500
8 油脂類/(植物油脂類)/調合油 6,800
9 油脂類/(植物油脂類)/大豆油 6,100
10 調味料及び香辛料類/<調味料類>/(ドレッシング類)/半固形状ドレッシング/マヨネーズ/全卵型 5,500

出典:文部科学省 食品成分データベース(※1)

オメガ3が豊富な魚(DHA)

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳機能の維持に重要な役割を果たすことが広く知られています。まぐろ、さば、さけなどに多く含まれており、積極的に摂取したい栄養素です。

順位 食品名 成分量(100gあたりg)
1 油脂類/(動物油脂類)/たらのあぶら 6200
2 魚介類/<魚類>/あんこう/きも/生 5100
3 魚介類/<魚類>/(まぐろ類)/みなみまぐろ/脂身/生 4000
4 肉類/<畜肉類>/くじら/本皮/生 3400
5 魚介類/<魚類>/(まぐろ類)/くろまぐろ/天然/脂身/生 3200
6 魚介類/<魚類>/やつめうなぎ/干しやつめ 2800
7 魚介類/<魚類>/(さば類)/加工品/開き干し 2700
8 魚介類/<魚類>/(さば類)/たいせいようさば/生 2600
9 魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/しろさけ/すじこ 2400
10 魚介類/<魚類>/あゆ/養殖/内臓/焼き 2300
10 魚介類/<魚類>/(さば類)/たいせいようさば/水煮 2300
10 魚介類/<魚類>/(さば類)/加工品/しめさば 2300

出典:文部科学省 食品成分データベース(※1)

オメガ3の1日あたりの摂取目安量と注意点

オメガ3脂肪酸の健康効果を最大限に得るためには、目安摂取量を意識し、継続して摂取することが重要です。また、調理方法によっては栄養素が失われやすいため、注意が必要です。

オメガ3の目安摂取量は男性2.2~2.3g、女性1.7~2.0g

厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準」によると、オメガ3脂肪酸の1日あたりの摂取目安量は以下の通りです(※3)。

性別等 1日あたりの摂取目安量
成人男性 2.2~2.3g
成人女性 1.7~2.0g
妊娠中・授乳中の人 1.7g

出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準2025年版(※3)

例えば、食事から1gのオメガ3脂肪酸を摂取するには、ぶり(はまち)の刺身約4.7切れ、かつおのたたき約9.1切れが必要です。日々の食事だけでこの目安量を補いきれない場合は、サプリメントの活用も賢い選択肢となります。

また、必須脂肪酸にはオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸があり、これら2種類の脂肪酸をバランス良く摂取することが肝要です。理想的なバランスは、オメガ3脂肪酸を1とした場合、オメガ6脂肪酸が2~4の割合とされています。

オメガ3は加熱調理に不向き!酸化を防ぐには生食がベスト

オメガ3脂肪酸は熱に非常に弱く、加熱するとその貴重な栄養が失われやすい特性があります。実際に、さんまを丸ごと加熱調理した場合、EPAやDHAが20~50%ほど失われることが確認されています。

調理法 DHA、EPAの損失
グリル焼き、フライパン焼き 約20%
揚げ調理 約50%

さらに、オメガ3脂肪酸は酸化しやすい性質も持っています。酸化したオメガ3油は過酸化脂質へと変化し、動脈硬化や認知症を引き起こす要因となる可能性が指摘されています。

そのため、オメガ3脂肪酸の栄養を最大限に摂るには、加熱せずそのまま摂取することが重要です。ドレッシングとして使用したり、飲み物に混ぜたりする工夫を取り入れると良いでしょう。また、保存する際は冷暗所に置き、開封後はなるべく早く使い切ることが酸化を防ぐための重要なポイントです。

オメガ3は一度にたくさん摂るよりも、毎日続けることが大切

オメガ3脂肪酸を1日3g以上摂取すると出血のリスクが高まる可能性が指摘されており、過剰摂取には注意が必要です。オメガ3脂肪酸の健康効果を最大限に享受するためには、一度に大量に摂るよりも、推奨される量を毎日継続して摂取することが何よりも大切です。

オメガ3を効率よく摂るなら、油・魚・サプリメントを使い分けるのがおすすめ

オメガ3脂肪酸は、選ぶオメガ3油や食材によって含有量が異なります。健康的な生活を送る上で、毎日、目安量を継続して摂取することが不可欠です。

魚や植物油などのオメガ3食品からも摂取可能ですが、調理や保存の手間、そして酸化のリスクを考えると、毎日安定して取り入れるのが難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。その点、サプリメントは手軽に必要な量を摂取できる上、品質や成分が管理されている点で安心感があります。

体内では合成できないオメガ3脂肪酸を効率よく、かつ確実に摂取するために、信頼できるサプリメントも活用し、ご自身の健康管理に役立ててください。

参考文献

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